エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 髪に顔を埋められ、どきっと心臓が音を立てた。

「あなたは今、お酒臭いよ」

 動揺してかわいげのないことを言ってしまうも、北斗は笑っている。

「酔うなら酒より君がいい」

「やっぱり酔ってる」

 頬をつまんでいじってくる北斗の手をどけようとした。

 でも遠慮なく触れてくるのがうれしくて、好きにさせておく。

 調子に乗ったようで、触るだけだったのがいつの間にかキスの雨に変わっていた。

 それも好きにさせながら、彼の胸に顔を埋めて深呼吸する。

 アルコールの匂いは確かにするけれど、それ以上に北斗の匂いがした。

 ……私もこの匂いが一番好き。

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