エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 北斗が仕事の関係者に招待されている以上、万が一にも失敗はできない。

「こういう時の振る舞い方を勉強しておけばよかった……」

 思わず弱音をこぼすと、隣に立つ北斗が私を安心させるように微笑んだ。

「大丈夫だ。君はかわいいから」

 そう言った北斗が頬にキスをしてくる。

 不安と緊張で反応が遅れ、一拍立ってから自分の頬を手で隠した。

「外でこういうことは――」

「もうここを日本だと思うな。このくらい普通だ」

 北斗の言葉通り、あちこちで挨拶代わりの親愛のキスやハグが行われている。

 だからといって、北斗の態度は少し堂々としすぎていたけれど。

< 170 / 245 >

この作品をシェア

pagetop