エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 私が彼の愛を信じて踏み出した瞬間、握っていた手を振りほどかれるんじゃないか。

 あんなにひどい真似をしたのに許されると思う身勝手さを、嘲笑されるんじゃないか……。

 だから信じたいのに、信じられない。

「行こうか。紹介したい人が大勢いる」

「うん。……何語が必要?」

 一応尋ねると、北斗が目を丸くした。

「適当に合わせていたから気にしていなかったな」

「あなたの頭の中を見てみたい。だって意識しなくても、話す言語を変えられるんでしょ?」

 多くの場合は英語だろうが、そうでない人もいるはずだ。

 現に、会場のそこかしこから日本語以外の様々な外国語が聞こえてくる。

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