エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 考える前に北斗の服の裾を引っ張り、会話に割り込んでいた。

「ん?」

「私にも自己紹介させて」

「あ、ああ。そうだな」

 ここに来てから、私はずっと北斗に促された時だけ口を開いていたから、驚いた顔をされるのも無理はない。

 でもその反応に少し、ちりっとしたものを覚えたのも事実だ。

 もしかしたら私を紹介するつもりがなかったんじゃないか、なんて。

 ただでさえ不安が渦巻いていた胸に、またもやもやした感情が増える。

「ジョッシュ、アレックス。妻の純美だ」

 妻と紹介してくれたことに、こんなにほっとすると思わなかった。

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