エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「……下手に動き回ってもよくないだろうし、本当にお手洗いに行こうかな」

 パーティー会場は、奥のほうにドリンクカウンターと軽食を置いたテーブルが並んでいる。

 そちらへ行こうかとも思ったけれど、今はあまり喉が渇いていないし、空腹でもなかった。

 それよりも北斗とアレックスさんのやり取りが頭から離れない。

「ただの挨拶だってわかってるのにね……」

 小さくつぶやいて、息を吐く。

 改めて彼が馴染んでいる文化と、自分が慣れ親しんだ文化の違いの差を思い知った。

 この会場にいる人々の中で、私だけが異端者になったかのようだった。

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