エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 女性が身振り手振りで私になにか伝えようとする。

 何語かはわからなかったものの、『大丈夫』『落ち着いて』と言われているような気がして、申し訳なさが増した。

 そのタイミングで彼女が知人らしき女性に呼ばれ、私に申し訳なさそうな顔を向けてくる。

「私なら平気です。気にしないでください」

 咄嗟に日本語が出るあたり、私はまだまだだ。

 相手に合わせてすぐその国の言語を扱える北斗とは違う。

 気にする様子を見せながらも、私の肩をそっと叩いてその場を後にした女性を見送り、もといた会場の隅に戻って椅子に座った。

 改めてドレスを確認して、溜息をつく。

「……これはどうしようもないな」

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