エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「……うん」

 意思に反して、うなずいていた。

「あのくらいでうろたえるなんて、普段だったら絶対ないのに……」

「コンシェルジュの君ならそうだろうが、今は違った。だからいいんだ」

 フォローされるけれど、うなずくわけにはいかなくて首を横に振る。

「もう優しくしないで……。私、ひどいことを考えたんだよ」

「たとえば?」

「……助けてくれないんじゃないかって」

 膝の上に置いた手を握り締め、自分の嫌な妄想を告白する。

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