エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 北斗はそこで言葉を区切ると、重い溜息を吐いた。

「……『復讐』なんて言ったから、余計に不安にさせたのか」

 固く握りしめていた手を、北斗の手が包み込んでくる。

「俺は……」

 なにか言いかけるも、その先が続かない。

「……紹介だけして、話をさせなかったのは君に負担をかけると思ったからだ」

 露骨に話を変えられるも、そちらの理由も聞きたかったからおとなしく耳を傾ける。

「ああいう場は俺のほうが慣れているし、君もあまり話したくないのかと」

「……どうして?」

「完璧に話せないのに、と不安がっていただろう」

 そう言われてはっとする。

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