エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「それは悪かった。かわいいから、つい」

「えっ」

 今度は私が驚く番だった。

 両親は別として、今まで人にかわいいと言われた経験はない。

 勉強を中心に生きてきたのと、友達と遊ぶほうが楽しかったのもあり、恋人がいなかったのも原因のひとつだろう。

「そっ、そういうのはよくない、です」

 こんな素敵な男性にかわいいと言われてしまった。

 恥ずかしくなって、顔に熱が集まってくる。

「きれいと言うにはかわいすぎる。赤くなった顔も素敵だ」

「ナンパですか……!?」

 急に怪しさが増した彼から距離を取ると、彼はきょとんと目を丸くした後、意外なほど無邪気な顔で笑った。

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