エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「私なんかをからかうより、違う人に声をかけたほうがナンパも成功すると思いますよ」

「あいにく、気になる女性にしか声をかけない主義でな」

 答えを準備していたのかと思うほどさらりと返され、ぐっと言葉に詰まった。

 やり込められて悔しいのに、どんどん彼に惹きつけられる自分がいる。

「そこまで言うなら、一生の思い出に残るようなガイドを期待していいんですよね?」

「ああ」

 頬杖をついたまま、彼が私に手を伸ばした。

 そして、むにっと頬をつまんで微笑む。

「少なくとも、俺との出会いは一生忘れられそうにないだろう?」



* * *



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