エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 あの時の言葉通り、私は北斗と過ごした時間を永遠に忘れられなくなった。

「ムラーノ島を案内してもらうだけのつもりだったのにね。まさか滞在中、ずっと一緒にいることになるなんて思わなかった」

「俺にガイドを頼んで正解だっただろう?」

 うん、とうなずいて北斗の肩に寄り掛かる。

「ホテルに花が届いた時はどうしようかと……」

「君が部屋番号を教えるからだ」

 どこに滞在しているのか聞かれた私は、深く考えずにホテルの名前だけでなく部屋の番号まで教えてしまった。

 迂闊すぎると私を注意した北斗は、その夜、部屋に大量の花束を贈りつけるサプライズで私を驚かせたのだ。

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