エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「結婚してからもそうだった。復讐なのに、ずっと私に優しかったね」

「……泣いているのか?」

 顔を伏せていたのに、すぐ気づかれる。

「ごめんね、ごめんなさい……」

「……もういいんだ」

 そっと包み込むように抱き締められた。

 北斗は私の頭に手を置くと、ぽんぽんと軽く撫でる。

「俺も間違えた。復讐なんて最初から考えていない」

 顔を上げると、頬を滑った涙を唇で拭われる。

「君は真面目だから、俺の気が済んだように見せなければ、もう一度やり直してくれないと思った」

「意味が、よく……」

「俺の心は、あの頃からずっと君だけのものだ」

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