エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 足音を響かせないやわらかな絨毯に、エントランスホールの中心にある著名な芸術家が手掛けた現代アート。左手奥は受付で、私がいつも仕事をしているのは右手にあるコンシェルジュデスクだ。

 家にいる時よりも過ごした時間の長いエントランスを歩き、コンシェルジュデスクの前を通って、階下のレストランに向かう。

 同僚が『あれ?』という顔で私を見たけれど、仕事中だからかそれ以上の反応はなかった。

 昼間は手ごろな価格帯のランチビュッフェか、時期によってはアフタヌーンティーを楽しめるレストランは、入口の前に大きな噴水がある。

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