エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「君の扱い方はよくわかっているつもりだ。機嫌を損ねると婚約破棄をして逃げ出すらしいことも学んだ」

「あれは……っ」

 それきり、口をつぐむ。

 私になにが言えるだろう。彼の言葉はすべて正しいのに。

「……契約結婚みたいなもの?」

 長い沈黙の後に尋ねる。

「期限は俺が決める」

「……そう。私に決める権利がないのは当然だね」

 彼は最初にはっきり復讐だと言った。

 だから妻として縛りつけ、自由を奪い、自分の仕事のために利用すると。

「五年前……あんな真似をした私への、罰」

 膝の上に置いた手を無意識に握り締めていた。

 北斗にはその権利がある。

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