エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 数年の任期を終え、今は日本の外務省に勤めているそうだ。

 こちらに戻ってきたタイミングで私と出会うなんて、偶然にもほどがある。

 そんなわけで私は、彼と本当の夫婦のように一日の出来事を軽口を交えながら話し、おやすみのキスを受け止める日々を送っていた。

 あっという間にひと月が経った日曜の朝、目覚めると隣に北斗の顔があった。

「……おはよ」

「俺の知っている朝の挨拶はそうじゃないな」

 開口一番、遠回しにキスを要求するなんてどうかしている。

 目をこすりながら起き上がり、まだ頭がぼんやりするのを感じながら北斗の唇をそっと塞いだ。

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