エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「私も必要?」

「君の買い物をするんだ。私物が少なすぎる」

「あれで間に合ってるんだけど……」

「俺が気に入らない」

 いつの間にか手を握られていた。

 手遊びがしたいのか、彼はよく私の指に自分の指を絡めて触ってくる。

「外交官の妻として必要なものを揃えてもらう、と言ったらやる気になるか?」

「……そういう理由なら、私がいないと服を選べないね」

 私は彼のキャリアのために利用される妻だ。

 なにかとパーティーに誘われると言っていたのを考えると、地味な装いしかないのは困るのだろう。

「じゃあ出かける準備を――」

 再び起き上がろうとすると、なぜか北斗が覆いかぶさってくる。
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