エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
 その言葉通り、北斗は適当な店を選んではぎょっとするほど高価なドレスやアクセサリー、バッグや靴といったものを大量に購入した。

 何軒目かの店を出た後、また違う店に入ろうとする北斗を止める。

「ストップ。もう一生分買ったから大丈夫だよ」

「普段と違う魅力的な君を堪能するには、まだ全然足りないな」

「ドレスだけでニ十着以上買ったでしょ?」

「たった二十だ。なんだったら、家で俺のために着るドレスも買おうか?」

 微笑を浮かべて言った北斗が、私の髪をひと房つまんで毛先にキスをする。

 直接触れられたわけでもないのに、甘い口づけの気配だけでぞくりと背筋が震えた。

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