エリート外交官はワケあり妻を執愛で満たし尽くす
「無駄遣いしなくていいから……」

「それなら心配するな。無駄遣いはしていない」

「してる」

「していない」

 むっとして睨むけれど、北斗はまったく気にしてくれない。

「おかしいよ。どうしてそんなに甘やかそうとするの? 復讐したいから結婚したんでしょ?」

 私が北斗(あなた)を愛するように仕向けているのか、と聞いてしまいたい。

 だけど、勝手に私がそうだと思っているだけで、そこまでひどい真似をするつもりはないんじゃないか、という期待を消しきれない。

「痛いほうが好みだったか? あいにく、そういう趣味はないな」

「話を逸らさないで」

 握っていた北斗の手を引っ張って言う。

< 93 / 245 >

この作品をシェア

pagetop