危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
「急な仕事でも入ったのかねぇ」
 
 なんとなく嫌な予感がして胸がムカムカした。不安が大きくなっていく。連絡もなしに夜まで蓮をほったらかしにすることなど、今までになかったからだ。

 事務所の扉を開けた瞬間、叔母の顔色が変わる。叔母の背でなにも見えなかった蓮を叔母が押し戻し、扉を閉めた。

「蓮、見ちゃだめ」

 すぐに蓮と麻美を抱きしめ、震える手で警察を呼ぶ叔母の顔が恐怖に歪んでいた。

「なに? どうしたの。お父さんとお母さんは?」

 叔母の静止を振り切って扉を開けると、灰色のカーペットが赤黒く染まり、二人の男女が倒れているのが見えた。事務所の中は荒らされ、書類がそこら中に散らばっている。
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