危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
 養子になって平穏な暮らしをしてはいても、事件の傷は深く、一年ほどはまともに言葉を発することができなくなった。医者にはPTSDの影響だろうと言われた。

 転校した先の小学校でもうまくなじむことができなかった。 

「お前さ、なんでいきなりあの家に来たの?」
「貰われっ子ってほんと?」
「いっつも暗い顔してうっとおしんだよ」
「なんか言ってみろよ」

 話すことができない得体のしれない転校生を、子供たちは仲間とはみとめてくれなかった。ある日、下校中頭を石で殴られ相手に制裁を加えるため、ボコボコにしてやった。

 一つ上の従姉で今は義姉になった麻美が、騒ぎに気付いて止めに入らなければ、もっと大ごとになっていただろう。
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