危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 歳月は、蓮を癒しはしなかったが、うちに秘めた復讐心を隠していくだけの知恵を与えてくれた。

 大学院に入り司法試験の勉強にいそしんでいた頃。
 ある日、自宅に週刊誌記者がやってきた。蓮の両親の事件について聞きたいという。
 叔母夫婦はにべもなく追い返そうとしたが、蓮はその記者の名を覚えていて、後日出版社を訪れた。
 記者の北田は鼻もちならない男だったが、蓮の両親の事件は当時裁判を控えていたとある政治家とのトラブルに端を発しているという意見には説得力があった。
 反社勢力を巻き込んだ不正な土地取引を蓮の父親が告発しようとして、消されたという。
 自分でも過去の記録を調べたが、確かにそういった痕跡は今でも残っていた。

 政治家の名は宝来正道。事件のあと頭角を現し、めきめき出世街道を進んでいる。このまま行くと総理になるだろうというのが世間の見立てだった。
 記者の力も借りて、偽名を使い、宝来正道に近づくことに成功した。

 信頼を得る中、様々な情報を得て、自殺した犯人への入金記録なども入手した。今ではなんらかの形で宝来正道が事件に関与したと確信している。
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