危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 嗚咽のような叫びを聞く中で、いつしかすみれも一緒に泣いていた。本当なら同情するような立場ではないのはわかっている。
 それでも自分の力でどうにもできない問題を抱える辛さを否定することはできなかった。
 自分だって環境次第でマナのようになっていたかもしれない。追いつめられてこんなところまで一人で来たマナの人生を思うとやりきれなかった。
 
 玄関のチャイムが鳴る。蓮だった。

「大丈夫か」

 蓮も状況がわからず、戸惑っている様子だった。

「急に呼んじゃってごめんなさい」
「無事でよかった」
「うん。今少し落ち着いたみたい」

 蓮が目を細めすみれの頬に触れる。こんな時に優しくするのはやめてほしい。もう忘れると決意したばかりだというのに。

「危ないことはしないでくれ」

 玄関先でぎゅっと抱きしめられる。蓮の手が震えている。本当に心配してくれていたことが伝わって、苦しくなる。
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