危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

「病気で長く学校を休んでる間に、人間関係もついていけなくなっちゃって、それで母の実家のある岩手に数か月行ったの。その時おばあちゃんとかまだ存命だったおじいちゃんとこたつでご飯食べたことがとても幸せだった」
「今も寂しいか?」
「こうしている間は寂しくない。あ、帰らないでほしいって言ってるわけじゃないから」

 重い女だと思われたくなくて言い訳みたいに付け足すと、蓮がすぐに答えた。

「帰らないよ」

 ちょっとだけ自分の内面を晒したことで、恥ずかしくなる。そう、本当はずっとそばにいてほしい。抱き合って、好きだと言って離れないで、ずっとそばにいてほしい。
 そう約束してほしい。嘘になってもいいから、今本気でそう思っていてくれたらいいから。

 蓮は答えず、こたつの中ですみれの手を握った。その大きな手を握り返すと心まであったかくなっていく。

 おしゃべりをしながら食事を終えると、部屋を暗くして小さめのホールケーキに、1本ろうそくを灯す。ふっとすみれがろうそくの火を消す。
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