危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
 
 少しお酒に酔っていたせいもあり、いつもは話さないようなことまで言ってしまう。
 これからどうなるかわからないけれど、すみれは幸せだった。
 蓮は、多くを語らない。どんな家庭で育って、どんな人生を歩んできたのか。
 
 だからすみれは全然知らない彼の過去を、想像する。
 寡黙で、静かな人だ。表立って甘い言葉を言うわけじゃない。だけど本当は思いやりがある。

「蓮が前に連れて行ってくれた海辺のお店、また行きたい」
「ああ、いいよ」
「蓮はあの街でどんなふうに育ったの」
「…………」

 
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