危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 蓮が家を出てからの麻美は少々行き過ぎているとは思っていたが、まさかすみれに直接会うとは。辛い思いをさせたことを心から悔やんだ。

「あなたのご両親が殺された事件に父が関わってると」
「そんな証拠はないんだ」

 自分に言い聞かせるように言った。汚職や不正な資金の流れの証拠は見つかったが、肝心の事件についてはまだわからないままだった。積み重ねられた状況証拠はあり、限りなく心証は黒に近かったが、決定的なものではない。おそらく立件は不可能だ。
 だが、北田は別件でも宝来正道を追い込むだろう。

「蓮は? どう思う?」

 黒だと思っている。だが正直に言えば二人とも傷つくだけだ。もう忘れようと決めたというのに。
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