危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

「俺は……正直わからない。もう過去は忘れてすみれと一緒に生きたい。騙してた俺を許してくれるか?」
「本当なら許されないのは父のほうよ。そしてなにも知らずにいた私も」
「すみれはなにも悪くない。全部話すよ」

 言葉をひとつひとつ選びながら、蓮はすみれに自分の過去を語り始めた。
 両親が強盗に殺されて叔父夫婦のもとへ預けられたこと。事件を忘れた頃、すみれの父の過去を探る週刊誌の記者が現れ、蓮に情報提供したこと。
 それからたまらず宝来の秘書となり、真実か調べていたこと。

 言葉は鉛のように重く、二人の間に沈んでいった。

「ごめんなさい。ごめんなさい」

 すみれが泣きじゃくる。

「すみれを苦しめたくなかった。でもすみれに嘘をついたまま一緒にいる自分が許せなかった。俺が……俺が勝手にしたことだ」
< 202 / 284 >

この作品をシェア

pagetop