危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 蓮がこれ以上苦しまないように。いや、それは嘘だ。すみれ自身がもう耐えられない。全部忘れて、蓮の胸に飛び込めたらいいのに。でも忘れるなんてできない。
 二人で抱き合っていても、記憶が茨のように巻き付いて、血を流さずにはいられないだろう。

 どうしてこんな出会い方しか、二人にはなかったのか。自分の血が憎くなる。

 ──ずっとそばにいて。
 ──なにがあっても離さないで。
 ──一生私だけのものでいて。

 本当に言いたい言葉全部を飲み込んで、全身全霊で嘘をつく。

 ──泣いちゃ駄目だ。台無しになる。

「蓮とはもう一緒にいられない」
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