危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 その中の一人に蓮がいた。小さくてはっきりとは見えなかったけれど、以前より顔立ちが大人びていて、別れてからずいぶん時間が経ったことを思い知らされた。

「この活動においては、被害者やその遺族だけではなく、加害者の家族のサポートも視野に入れているそうですが、なぜでしょう」
「色々な事件を見る中で、そちら側にもサポートが必要だと感じました」

 食い入るように画面を見つめていると、そんな言葉が聞こえてきた。
 蓮は蓮で自分の道を歩き出したのだ。

 蓮は自分の人生を少しでも取り戻せたのだろうか。もう二度と見ることがないと思っていた人を画面ごしに見かけ、もう一度真摯な気持ちで彼のこれからの幸せを改めて祈った。
 失ったものは戻らないけれど、二人だけの日々の思い出はずっとすみれを支えてくれる。

「よかった。よかった」
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