危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
そう言って突然ぽろぽろと泣き出したすみれに祖母が、黙って背中を撫でてくれた。
「昔、お世話になった人が出てたの。元気にやってるみたいで」
「生きてると色々あるわな」
障子の隙間から、柔らかな春の日差しが差し込んでくる。
ここに移り住んで、3度目の春が訪れようとしていた。
「最近顔色が悪いよ」
そう言われると、最近少し歩いただけで動悸がするし、ひどく疲れやすかった。
病院には定期的に通っているが、状態はあまり変わらない。
慌てて病院へ行くとやはり検査結果はよくなかった。すぐに手術したほうがよいという話だった。
薬でごまかして暮らしているうちに、体がどんどん悪くなっていくのが、自分でもわかった。祖母より先に亡くなるのは、さすがにまずいと思うけれど、あまり生きるとこに執着がなかった。