危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 両親に、すみれに、なにより自分自身に恥ずかしい生き方はしたくない。どうしようもないどん底を経験し、ようやく下らないプライドだけはなんとか取り戻すことができた。
 休学していた大学院に復学し、遅れた分を含めて血反吐を吐くほど勉強してなんとか司法試験に合格し司法修習生を終え、去年弁護士になって一年目。

「なんのご用件ですか」
「そう警戒するなよ」

 おそらくある程度の情報は入っているのだろう。言い方に含みがある。

「お前の出自のことは、聞いたよ。けど、今日来たのはそのこととは関係がない」

 宝来正道の事件が週刊誌にすっぱ抜かれてから、どうやら蓮の周りも調べまわる記者が複数いた。達也の耳にも入ってもおかしくない。
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