危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 ぐっと睨むように達也を見つめる。

「笑うかもしれないが、すみれを大切に思う気持ちは嘘じゃなかった。まぁ信じてくれなくていい。今日はこれを渡しに来ただけだ」

 テーブルの上に、手帳から破ったメモを置く。見ると住所が書いてある。東北地方のものだった。

「すみれの居場所だ」
「すみれの?」

 おそらく探そうと思えば自力で調べることもできた。だがしなかった。誰よりも守りたかったのに、誰よりも深く傷つけてしまった。自分は彼女にとって疫病神に過ぎなかった。
 身を引く決意ができたのは、壊れた皿はもう戻らないと思ったからだ。
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