危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
 祖母は気がかりだがそれ以外に、もうこの世に未練はない。もとより、あまり色々なことに執着がない。
ずっと描きたいと思っていたものを描き上げたせいか、手術の前だからかセンチメンタルな気分だった。

『書いたら一番に見せるから』
『待ってる』
 
 ──自分から逃げたのに、あんな約束守ろうとして馬鹿みたい。

 いつかした会話を思い出し、ひとりごちる。もうとっくにすみれのことなど忘れて幸せになっているかもしれない。そうであってほしい。

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