危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
もう一度会いたい
新幹線を降り、何度か乗り換えて小さな駅に着く。
人影はまばらで、すみれの祖母の家を目指して歩き始めた。まだ雪が残る道を踏みしめる。空気は澄み切っており、深く吸い込むと肺までしみるほど冷たい。
しばらく歩いた後、素朴な木造の一軒家に辿りつく。
すみれの祖母の家だ。庭には、雪の隙間から新しい芽を出し始めた野菜や花が植えられているのが見えた。
静かだが、しっかりと生活をしている人特有の落ち着いた雰囲気があった。
どこか懐かしいような温かい気持ちを感じさせる素朴な木造の一軒家だった。。
「なにかうちにご用ですか」
家の前で立っていると、後ろから老婆に声をかけられた。
「あの……ここに宝来すみれさんはいらっしゃいますか」
どういう関係か説明するのは難しい。代わりに名刺を差し出した。
「ああ、すみれが何度か話してた」
すみれが自分の話をしていたという事実に驚き、そして完全に忘れられたわけではないことに少し安堵した。