危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
ぶあつい封筒を渡される。蓮へ とだけ書いてある。
「自分が死んだら渡してほしいと頼まれた」
「あの……、すみれさんは」
嫌な予感に背筋が寒くなる。死を口にするほどの状態なのだろうか。
「10日前に倒れてね、前から手術を勧められてたんだけど、いよいよ危ないかもしれないってことで、明日緊急で手術することになったよ」
「悪いんですか」
「あの子は昔から口がかたくてね。辛くてもそれを言わない性分なのよ。それ、少し早いけど、生きてる間に渡さんと」
知らなかった事実に愕然とする。危ない? 命が? なぜすみれにそんな不幸がおとずれなくてはいけないのか?
思ったより病状が悪いことを知り、目の前が真っ暗になった。どうしてもっと早く探し出さなかったのか。
すみれの祖母が、蓮に渡した封筒に目をやる。