危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
「遅くなって、ごめん。もっと早く来るべきだった」
蓮だった。口をきゅっと閉じて、真剣な顔でベッドの横ですみれの手を握る手は、ちゃんと温かかった。その温度や手触りの生々しさも自分が作り出した妄想なのだろうか。
「今度はすみれが嫌がっても、離れないと決めた」
窓からの夕日を背に、静かな病室の中ではっきりと、蓮は宣言した。それはもう決まったことなのだと。
「ほんとに蓮なの?」
寝起きで声がかすれていてうまく発音できなかった。頭も少しずつ冴えてくる。どうして、どうやってここに来たのだろう。