危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

「片桐さんもきっと私の送迎なんて迷惑なはずだから」
「そうかな。すみれはああいう男に興味ないのか?」

 意味ありげに尋ねられ、一体どういう意味なのかと複雑な気持ちになる。

「興味なんて……父は気に入ってるみたいだけれど」
「目立つからな、あいつ」

 ずいぶん含みのある言い方をする。
 そうこうしていると、メインディッシュの和牛フィレ肉が運ばれてきた。

「この前船ですみれとあいつが一緒にいるのを見てドキリとした。なんだか恋人みたいに見えたから」
「あれは、ただ気分が悪くなってふらついたら片桐さんがいただけで」
「わかってるよ。すみれがそんな女じゃないことは」
「少しの間だけって父が言うから、従おうと思うの」
「俺がいなければ宝来先生はあいつとすみれを結婚させてたかもしれない」
< 33 / 284 >

この作品をシェア

pagetop