危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
「油断って」
「すみれは鈍感だからね。少しは婚約者のやきもちにも気づいてくれよ」
達也が片桐にやきもちを焼く必要なんかまったくない。
すみれと片桐の間にはなんの関係もないのだから。
「やきもちなんて……」
「今日は俺も飲んでないし、送っていくよ」
「実は迎えにもう来ているみたいで」
店を出ようとすると、まだ午後9時半だった。父からしばらくあまり遅くならないように言われている。10時には店を出るつもりだった。
「はぁ。仕方ない。脅迫状なんて、仕事柄よくあることだし、気にする必要ないけどすみれになにかあったら嫌だから」
レストランを出ると、片桐からちょうどメッセージが来ていた。
[こちらは気にせず、ごゆっくりなさってください]
いつまでも待つということだ。逆に気になる。人を待たせるのは苦手だ。
「そろそろ帰らないと」
「婚約ももうしたし、次は泊まりたい」