危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

こうしたことはこれからも付きまとう。覚悟が必要だ。

「忙しいなら帰っていいよ。宝来さんは、忙しいでしょうから」
「いえ。私用を優先させたりすることはありません」

 最近受注した比較的大きな仕事もすみれの担当になった。実績と釣り合わない仕事を得るのは心苦しかった。

翌日、悩んだすみれは上司のもとへ行った。
 今までにも理由なく人から悪意をぶつけられる経験がなかったわけではないが、さすがにあそこまで露骨なのは、大人になってから初めてで、ひどく気分が落ち込んだ。

「お忙しいところすみません。少し相談があってお時間よろしいですか」
「いいわよ。あなたが出したラフだけど、評判いいわよ。またお願いしたいって」
「そうですか」

 と小さく頷く。
 ベリーショートの金髪がトレードマークの切れ者の女性上司の鈴木は、辛辣だが信頼できる人だった。いかにも仕事のできる都会の女性といった感じですみれもなにかと相談している。
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