危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
持病の発作の予兆に似ていた。最近すっかりよくなったから、久しぶりで驚いた。
バッグの中のピルケースから、頓服を取り出し、水と一緒に飲む。
「明日、病院行かなくちゃ」
あとはタクシー乗り場まで行くだけだ。そうこうしているうちに胸に圧迫感を感じ、息が苦しくなってきた。
よろよろと事務所の鍵をしめ、扉を開ける。
歩いているうちに目の前が白みはじめる。まずい。
もっと早く予兆に気づくべきだった。
「誰か呼ばなきゃ……」
バッグからスマートフォンを出そうとしても見つからず中の書類が床に落ちた。拾おうとした瞬間、胸に強い痛みを感じて、すみれは倒れた。