危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる

 冷静になると、醜態を晒したようで急に恥ずかしくなってきた。他人の片桐にこうまで迷惑をかけて、なんとも情けない。
 必要なものは売店で揃うし、家政婦に頼むことにする。
 体調不良で、ぼさぼさの髪の姿をこれ以上見られたくなかった。

 ──発作なんて何年もおこしてなかったのに。

 生まれつき心疾患があるすみれは、同い年の子供と一緒に外で遊んだ経験があまりない。昔は入退院も繰り返し、小学校は1年休んだこともある。
 母もまた体が弱かったという。写真を見るとすみれとよく似ている。自分もそう長生きしないのかもしれないと何度か思ったことがある。
 だんだんと体力もついて、普通の人と同じような暮らしができるようになってきたが、また病気が悪化したらと思うと不安だった。
 ため息をつく。
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