危険な略奪愛 お嬢様は復讐者の手に堕ちる
「焼けた」
すみれの皿に、バターと醤油のついたホタテ貝を乗せる。
「ありがとう。いただきます」
熱くて火傷しそうで、食欲なんてまるでなかったのに、お腹が空いてきた。
「美味しい!」
「よかった」
ぶっきらぼうに言う。いつもとやはり違う。いつもは柔らかな笑みを浮かべ、すみれに対しても礼儀正しい。だが、それがなんだか今は嬉しかった。
──どうしてここに連れてきてくれたんだろう。
ふとそんな疑問が浮かんだが今は考えないでいようと思った。潮風が扉の向こうから吹いてくる。
「少し散歩しよう」