「みんなで幸せになると良いよ。」
『突然、わけもなくセンチメンタルねぇ…。わかるよ。』

思いもよらない一言だった。

不意をつかれた僕は

「たまにあるよね。」と相づちを打つだけ。

散らかった砂浜から眺めた透明度の低い海。

それでも、深い青に挟まれた夕暮れは茜色で
その色は電車で感じた不安も曖昧にしてくれた。
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