「みんなで幸せになると良いよ。」
母親は立ち上がって診察室のナースに何か話している。意識もせず別の張り紙を探した。


「相川佐紀さん1番のお部屋どうぞ。」


母親が催促したのだろうか、すぐに順番が回ってきた。
ナースが一番の部屋の扉を開けて「荷物はこちらでお願いします。」と微笑んだ。
薄い緑色のカーテンを開いた。


『失礼します。』


若い男性医師が座っていた。

確かに受付で「女性医師希望」に○をつけた。
そして母親がナースと話して、すぐに呼ばれた。

悩む必要もない、

犯人は母親。
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