「みんなで幸せになると良いよ。」

3.再会、思い出にて。

『はやく、手すり持たな危ないって!もう!』

いつも見ている顔も、和装するとまた違った。
正面の長すぎる神社の階段を浴衣を着た二人が上っていく。

「椿、後ろ見てみ。景色凄いきれいやで。」

夕方ではまだそんなにきれいじゃないことくらい僕は知っている。
この街の夜景はお金をいくら出してもいいくらい美しいと言われていて、他府県から夜景に見に車で何時間も掛けて来るひとも居るほど。

『きゃぁ!アホ!もう!!』

ただし、夕方は景色も3割くらいの完成度でここの階段は急斜面になっている上、段数が多い。

振り返るに肝試しくらいの勇気は必要だ。

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