「みんなで幸せになると良いよ。」
とくに言葉はなく、

ふぅと深い息を吐いて彼女は僕に背中を向けた。

次の瞬間、クリーム色の靴底が僕の左肩を捉える。
右足は空気を刺し、こちら目掛けて迫ってくる。


クリーンヒット。


僕はアスファルトのうえに倒された。


「痛っ!」


情けなく立ち上がるとき見た顔は『ふふっ』と不敵な笑み。
少し頭にきた。


「何っ、今の?」


不思議そうに、迷惑そうに僕が今おきたことを聞くと、


『空手。それにバレエの柔軟性を足した格闘技術。』


何者?とりあえず痛かった。
< 97 / 266 >

この作品をシェア

pagetop