タオル係の、独占欲。(短)
「さ、さようならっ」
「え、ちょっと……小竹さん!」
緒都くんから借りたタオルは二枚。一枚はカバンの中。もう一枚は手の中。
それらの重みを、感じてしまって。重さなんてほとんどない、そのタオルの存在が忘れられなくて。
「……っ」
桜色のタオルよりも濃く染まったピンクの頬を夕日にあてながら、小走りで家を目指すのだった。
次の日――
「おはよう、小竹さん」
「っ!」
緒都くんから逃げるように帰ってしまったから、若干気まずくて……。登校中も「なるべく会わないように」なんて願ったけど。
そう言えば、私と緒都くんは同じクラスで、隣の席。会わないはずがなかった。