タオル係の、独占欲。(短)


「なんてね、冗談だよ」



そんな事を言いながら、濡れたタオルで顔を拭く緒都くん。

だけど桜色タオルよりもピンクに染まった彼の顔を見ると……私の悪い癖が、また疼いてしまって……



「あ、あの……」

「ん?」

「さっきの、急すぎて分からなかったので……もう一度って。

そう言ったら、怒りますか……?」

「!」



すると緒都くんは、「まいったな」と言わんばかりに、目を明後日の方に向けた。

だけど、顔はさっきよりも濃いピンク色。そんな彼がいう事とは――



「まったく。そんなの、怒るわけないでしょ」



まるで「降参」という声が聞こえてきそうな、そんな弱った笑みを浮かべながら。

緒都くんは幸せそうに笑った後――

もう一度、私に顔を近づけるのだった。

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