タオル係の、独占欲。(短)

「私、もっとお化けを頑張りたいです」

「君って本当……なんでも口にしちゃうよね」



「はぁ」とため息をついた緒都くん。すると、ちょうどその時。

遠くから「鏡花ー」と、私を呼ぶ朋の声が聞こえた。



「差し入れだよー、タコ焼き買って来た~」

「だから出ておいでー」



有里がたこ焼きを買ってくれたらしい。

思わぬ優しさに、うるると涙腺が緩んでしまう。

すると、すぐ近くにいたタオル係が見過ごすわけがなく――「ほら」と、私の首にタオルをかけてくれる。

それは、あの日からずっとお世話に合っている桜色のタオルだった。

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