その推し、死なせません~悪役令嬢に転生した私、ループを繰り返しラスボスを救う~
 思わず目を瞑るが、その攻撃は空振り、身体を素通りする。

「な、何すんですかっ!」
「ちっ、どうせ当たらないんだからいいじゃない。しかし、頼みの綱がこんな意気地なしのハズレ女だなんて……ったく、最悪だわ」
「ハ、ハズレ? い、一体何を……」

 動揺する紙安にズイと顔を近づけると、胸にぱしんと手を当て彼女は言い放った。

「あたしが黒曜石の晶還術を使い、死に際のお前をこの世界に引き込んでやったのよ! この王国の滅亡を止め、お兄様を救うためにね!」
(ど、どういうこと――!?)

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