茨の蕾は綻び溢れる〜クールな同期はいばら姫を離さない〜
百子はいつも通りに陽翔を会社に送り出し、慎重に靴を脱いで玄関から出るが、下腹部がぐるぐるとかき回されるような痛みがあり、思わず廊下に座り込んだ。
(おかしい……今日は無理してないのに)
朝の自分の行動を辿る限り、特に動き回ったりはしていない。リンが動きまくった訳ではなく、むしろ不気味なほど静かなのにも関わらず、下腹部が痛むのはどういうことなのだろう。
(あれ、痛くなくなった?)
だが玄関で蹲っているうちに、妙な痛みは霧散してしまう。百子は首を傾げたが、のろのろと立ち上がり、リビングのソファーへとたどり着く。そのときにスマホを落としてしまったため、百子はソファーに寝転んでスマホへと手を伸ばす。お腹が大きくなったため、屈むことができなくなっており、百子は散々苦労しながらスマホを手にした。
「うあっ!」
再び腹部をかき回されるような痛みが走り、百子は時間を確認する。先程の痛みから20分経っていることを確認すると、震える手で陣痛タクシーの番号をタップする。
陽翔が事前に予約してくれたために、スムーズに話が通ってホッとした百子は、痛みが収まってから、慎重に立ち上がり、予め用意してあった、病院での必需品の入ったバックを持ち、マンションの1階へと降り、陽翔に陣痛が始まったからとメッセージを飛ばす。
(陽翔と色々調べて良かった……母親学級も行ったから、事前に準備もできたし……)
「ううううっ!」
タクシーで運ばれている最中も痛みが襲ったが、分娩室に移動すると、さらに痛みの感覚が短くなる。痛みも、まるで刃物でかき回されるような物に変化しており、絶え間なく喉からうめき声が迸り続けた。思わず百子がお産止めたいと零すと、助産師に赤ちゃんが頑張ってるのに、お母さんが頑張らなくてどうするのかと、どやされてしまったが。
「子宮口が開いてるので、麻酔を投与しますね」
医師の声に、百子は軽く顎を引くのに精一杯だった。麻酔が効くと、多少は痛みが和らいだものの、下半身の感覚は完全に無くなる訳ではなく、痛みそのものは継続している。途中で陽翔が立ち会ってくれたが、彼の心配そうな声と、しきりに汗を拭っている手に、ほとんど応えられない。それでも陽翔が手を握るので、それを握り返して応えた。
(おかしい……今日は無理してないのに)
朝の自分の行動を辿る限り、特に動き回ったりはしていない。リンが動きまくった訳ではなく、むしろ不気味なほど静かなのにも関わらず、下腹部が痛むのはどういうことなのだろう。
(あれ、痛くなくなった?)
だが玄関で蹲っているうちに、妙な痛みは霧散してしまう。百子は首を傾げたが、のろのろと立ち上がり、リビングのソファーへとたどり着く。そのときにスマホを落としてしまったため、百子はソファーに寝転んでスマホへと手を伸ばす。お腹が大きくなったため、屈むことができなくなっており、百子は散々苦労しながらスマホを手にした。
「うあっ!」
再び腹部をかき回されるような痛みが走り、百子は時間を確認する。先程の痛みから20分経っていることを確認すると、震える手で陣痛タクシーの番号をタップする。
陽翔が事前に予約してくれたために、スムーズに話が通ってホッとした百子は、痛みが収まってから、慎重に立ち上がり、予め用意してあった、病院での必需品の入ったバックを持ち、マンションの1階へと降り、陽翔に陣痛が始まったからとメッセージを飛ばす。
(陽翔と色々調べて良かった……母親学級も行ったから、事前に準備もできたし……)
「ううううっ!」
タクシーで運ばれている最中も痛みが襲ったが、分娩室に移動すると、さらに痛みの感覚が短くなる。痛みも、まるで刃物でかき回されるような物に変化しており、絶え間なく喉からうめき声が迸り続けた。思わず百子がお産止めたいと零すと、助産師に赤ちゃんが頑張ってるのに、お母さんが頑張らなくてどうするのかと、どやされてしまったが。
「子宮口が開いてるので、麻酔を投与しますね」
医師の声に、百子は軽く顎を引くのに精一杯だった。麻酔が効くと、多少は痛みが和らいだものの、下半身の感覚は完全に無くなる訳ではなく、痛みそのものは継続している。途中で陽翔が立ち会ってくれたが、彼の心配そうな声と、しきりに汗を拭っている手に、ほとんど応えられない。それでも陽翔が手を握るので、それを握り返して応えた。